おなごテツ

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12月24日(土)『賢者の贈り物』について考える

12月24日(クリスマスイブ)に行われた「おなごテツ」のテーマは「『賢者の贈り物』について考える」でした。読後モヤモヤしたという意見が多い中、自己犠牲とは、贈り物とは、等についてさまざまな意見が出ました。

以下は当日の発言録です。

●どうして賢者なのか。自己犠牲を払って相手のアイデンティティを支えるのが賢者? 真の賢者はどういう贈り物をするのか?
●この話を賢者とは結び付けなかった。前の年はこの人達どうしたのだろうか? 来年どうするのか? デラさんの方は髪は伸びるので、ジムさんの方が割を食っている? ジムさんは懐が広すぎる? このカップルであることが賢者? 個人的にはこういう賢者には縁がない。
●東方の賢者とは? 夫が高いドライヤーを買ってくれた日に髪を切って怒られてしまった・・。

◆東方の三博士(とうほうのさんはかせ)とは、新約聖書に登場し、イエスの誕生時にやってきてこれを拝んだとされる人物。東方の三賢者(とうほうのさんけんじゃ)または東方の三賢人(とうほうのさんけんじん)という呼称も多い。

●妻の方は美しい髪を持っていても披露する場がない。夫の方も豪華な時計を持っていても見せる場がない。それにまつわるものを送り合ったということは、未来に対する期待がある。この二人が持っているものは現在のアイデンティティではあるが、現状には相応しくない。未来の可能性を考えて贈り物をしたとすれば賢者?
●こうやったら賢者になりますよ、と言われている気がする。幼少時、近所のキリスト教系幼稚園でこの類の話を聞かされていた。実体験ではこういうことをしても全く幸せにならない。むしろ、コミュニケーションを図って、お互いに欲しいものを聞いてはどうか?
●今時?と思った。これは子供に読んできかせたくない、こんな女性になって欲しくない。賢者とは違うんじゃないかと思った。会話をしながら欲しいものを探っていけばいいのでは?
●今気づきましたが、キリスト教の教えって、最後は自己犠牲で磔ですからね。
●これが賢者というのが納得できない。これがカップルとして正しいというのはちょっと違うのでは? もしこれが85歳のカップルなら賢者かもしれないが、新婚さんでこれをやるのは案外普通? これをやっていたら続かない? 来年どうするの?来年のプレッシャーに押しつぶされて別れるのでは?
●賢者の贈り物、って賢者という落ちですが、私の見た本では、「でもね。髪の毛はまた伸びる」とか「時計は質屋で取り戻せる」とか言ってて、取り戻し方法まで考えているので自己犠牲でさえないのかもと、どう理解していいのかよくわからなくなりました。
●小説家の話。私は愛する男のために人生を誤りたい。自己犠牲も自己満足かもしれないが、相手を喜ばせたいのは贈り物の基本? そこまで自分の事を思った贈り物を貰ったことがない。素晴らしい物を貰ったことはあるが、自己犠牲は含まれていなかった。
●愛や心を送るのも、時にはいいのでは?
●自己犠牲はプレゼントの価値に乗るのか?
●どちらかというと気持ち悪い・・。「最後の一葉」も自己犠牲のお話。作者は利他心を伝えたかった? 現実的には先に聞いて欲しい。
●昔からサプライズ志向ってあるんだなと思いました。
●お金が無いところがポイントだと思います。欲しいものを相手に聞けない?自分の所有物の中で一番お金になるものは?と思った時、自己犠牲もあり自己満足でもあるのかな。

◆「三つの贈り物にはそれぞれ意味があり、黄金は現世の王、乳香は神、没薬は救世主を表すとされています。 これは、世界の全てをイエスに捧げたことを象徴的に示している」…とのこと。

●愛する男のために人生を誤りたいのはその人の性癖。自己犠牲とは少し違う? この人たちは来年もやりそう。心だけを贈り合えばいいのでは? 男の顔を立てて夫のプレゼントのみ受け取るというやり方(妻は髪を切らない)のもアリ?
●質屋に入れるという行為が嫌。どうしてこんな高価なものをお互い渡しあうのか? 少し冷静になって考えた方がいいのでは?
●心と言うなら、心をくれればいい。なぜ物に走るのか?
●髪はまた伸びる、時計も質屋から請け出せばいい、となると自己犠牲ではない?
●サイレントというドラマ観ましたか?健常者と聴覚障害者の恋愛ですが、この話に似てると思います。自分のしたいことをすべてやめ、一方的な愛情が、うざく、重く、苦しいのですが、最後は、その気持ちにやられるのです。
●お互い様なので美談だが、片方だけだったらどうなのか? 男性は時計を売ったことを隠せるが、女性の髪は隠せない。男性は毎日その短い髪を見なくてはいけない。自分の貧乏の為に髪を切ったのを見るのは男性として辛い。全く賢くない。あるいはものすごくあざとい?
●普通は、できないですよね。それが重く感じますよね
●クリスマス、自己犠牲、プレゼント、等のキーワードを組み合わせて作っただけの話? この二人はこの関係に酔っているだけ? 現実回避?来年は肩たたき件とかになるのでは?
●専業主婦からのプレゼントに対して、夫が自分の金だろう、と言う。どうかと思うが、やはり妻としても自分のお金で買いたい気持ちはある。
●バレンタインがいつの間にか自分にチョコレートを上げる日になっている。プレゼントってすごく難しい。
●自己犠牲の果ては自分を大切にすることに向かう?
●自己犠牲は、普通はできないから、それが何よりの贈り物なのでは・・・その時代の自己犠牲。自分の大事なものを手放す。髪、時計・・・。
●贈り物の構成要素とは?
●彼らは純粋に愚か。愚かさが極まって賢者と作者は言っているのでは? 何も考えていないところを描きたかったのでは? 作者の言葉にならない悔しさを感じる。現実にはなかなか無い話だからこそのクリスマス。
●でも二人が本当に愛し合っていて、いつも満たしあっている場合で純粋に相手を思いやっている場合なら賢者の愛が成立するかも。
●イノセント。純粋に相手を想うのが極まると愚者から賢者になる。相手が大切な物をより輝かせようと思って選んでいるのでやっぱり賢者? 時代背景としてお金が大切だった? 何とかして愛する者の為にお金を作りたかったのでは?
●相手が望む物を送るのも大切だが、自分に今できることしかできない。目の前で倒れた人に対して何もできなかったが、その場にいてあげる、求められたら何かをする、自分にできることをした、それが形になったら贈り物になる? ただ居る、言葉をかける、も贈り物?
●具合が悪くなった人の世話をした体験。後ですごく自分を責めてしまった。他にもっと何かできたのではないか? 後で過剰に悩んでしまった。賢者の贈り物の二人も過剰?
●後半。プレゼントに何を乗せるのか? どんなプレゼントがいいのか?
●受け手の受け止め方でプレゼントは決まる? プレゼントは関係性?
●鼠小僧のような義賊はプレゼントと言えるのか? 関係性が無くてもプレゼントは成立するのか?
●寄付はプレゼント?
●義賊は喜捨、かな。
●貰って嬉しいのは見返りを求めないプレゼント。職場でもらうチロルチョコのようなささやかなもの。ただ上げたいから上げる。貰う側も遠慮しなくていい。贈り物で辛いのは、お返しができないようなものを貰うこと。変に高価なものを貰うと苦痛。お返しを負担に思うのは相手と自分の間に分離感がある時。ジムとデラは一体感があるので負担感が無いのでは? ある友人からエネルギーを込めたプレゼントを貰った経験。お返
●一体感無く、自己犠牲をして贈り物をしてきた。相手が喜ぶだろうと思って送ったが、相手は喜んだかどうかわからない。それでも送り続けた。空気が読めない。自分のいいところは、エネルギーを注いであげても見返りはもとめないところ。
●モノのやりとりが嫌い。子どもとはしたけど。大人になったらやめた。子どもに理解してもらえたことがプレゼントだった。でももし若くて絶世の美女だったら、小野小町みたいな無理難題を相手にふっかけて無意味な労力を使わせたい。
●お歳暮などの慣習とプレゼントが分かちがたい? 欲しい物を欲しいタイミングで送るのは合理的。プレゼントはサプライズの要素がある。合理性を追求すればお金を渡せばいい。プレゼントをあげる大人は喜びの反応が欲しい。
●自分で自分のことを満たせていないことと関係ある?
●私は、子供に自分の思い(自己満足)で贈り物をあげていました。慰めではなく、本当に後悔しているからです。
●自分の心を使っていないプレゼントはつまらない? 子供の頃親がサンタさんをしてくれたのはいい思い出。何が置いてあっても嬉しかった。何がどう作用したのか? 架空の存在がプレゼントをくれたことが、自己肯定感につながっていたのかも? サンタさんシステムはすごい。親ではない第三者がいい子を肯定するメッセージ。
●子どもに指定されるだけは嫌だと祖母に言われ、食事会などを企画しなければいけなかった。
●子供の頃はサンタさんのプレゼントが純粋に嬉しかった。大人になるとそこまでの喜びは無い。あれはなんだったんだろう?
●ジムとデラは上げることしか考えていなかった? 上げて嬉しかった。貰うことは想像していなかった?
●夫婦の会話で、妻はプレゼント交換はしたくない、夫はサプライズがしたいと言う。相手から愛されている、守られているという感覚が欲しいのでは?
●プレゼント自体がイベント。子供の頃のクリスマス会でのプレゼント交換は相手がわからない。自己表現ではあるが楽しい。プレゼント大会というイベントの方が楽しい? 贈与論。相手をコントロールするための贈り物。
●夫婦間のプレゼント観の違いの話、旦那様、贈りたい気持ちを、相手に要求してはいけないよね。自分の自己満足で終わりでしょう。ほんとに相手にしたいことなら、相手が拒否しても嫌にならないはず。ちょっとは凹むけどね。
●私は、息子に勝手に送ってます。感謝されませんよ。でも、私が、あげたいのです。うざいことも重々承知。でも家族だから許してほしい。
●夫は何かワクワクすることが欲しいからプレゼントを贈り合いたい、妻は日常で満足。非日常があるからこそ日常に戻れる、そこを大事にしないとと夫は言う。賢者の贈り物でもクリスマスの特別性がカギ?
●プレゼントは成功する確率が低いやりとり。成功したら奇跡? 難しくて当たり前。奇跡が起きれば楽しめる?
●サンタさんはその日だけにやってきて、子供が寝ている間にこっそりと置いていき、何も見返りを期待しない。好きな人じゃないとダメかも。嫌いな人からはイヤ。好きな人との間のプレゼントはお互いが幸せになる。
●プレゼントを貰ったら喜ぶことがお返し。リアクションが大事。賢者の贈り物のお話でも、二人が喜ぶシーンが無いのがモヤモヤの元。

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今年おなごテツにご参加くださった皆様、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
世話人一同)