9月23日に行われた「おなごテツ」のテーマは「老いとは」でした。以下は当日の発言録です。
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日本の女性は「若い」か「豊か」じゃないと、価値がないように言われがち。
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老いるということへのネガティブなイメージがある。今までできていたことができなくなる不安、社会からの偏見への不安がある。偏見や思い込みから解放されたい。社会が変わってほしい。
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社会全体の価値観を変えるのは難しい。社会の価値観を作っているのは個人なので、自分に返ってくる。
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社会の価値観は個人の価値観からできている。でもその価値観から己を引きはがしてこそ、堂々と老いさらばえることができるのでは。
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若く見えますね、と言われると「ん?」と思う。嫌ではないけど、言い方によってはバカにされた気がする。女性には「若い」と言っておけば喜ぶだろうと考えている男性が結構いる気がする。
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嫌味を込めて「若い」と言われているような時はショック。
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キャッキャッしてるのは若い子の特権みたいに思われていて、中年以降は白い目で見られるのは世間の思い込みでは。
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「女のくせに」と「年取ってるくせに」は、中年男性の代表的な意見なのか、と感じる体験があった。年相応とは?
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フランスでは熟年女性が大切にされている。セクシャルなコミュニケーションが重視される土壌があるとそうなるのか。
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日本は男性がリードしたい文化では。日本の男性は未熟好みだから若い子が好きなのか。
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欧州では成熟した側(男女どちらでもいい)が導くとい印象、日本では一方的に男性が導かなければいけない、という先入観。日本には「老いた」人は多いが「成熟した」人が少ない。
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老いるからといって成熟するとは限らないのでは。成熟した人は魅力的だと感じる。「老い」が排除されがちなのは成熟ではない部分で排除されるのでは。
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老いることで人に迷惑をかけるのなら、長く生きることに意味はあるのか。寿命が延びることはよいことなのか。日本の老い方は未成熟。
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日本では「老い」への評価が低い。評価が低いから成熟しにくい。逆に「老い」が評価されるのであれば成熟していくかもしれない。
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マザコン的価値観に逆らうがゆえに日本のロリータ文化が生まれている。グレートマザーへの恐怖があるのでは。老いた女性から支配されると逃げられないという恐怖。
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老夫人は、無条件にワガママか、全く自己主張しないか、両極というイメージがある。
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老いた女性と老いた男性は違う。政治家などは高齢者が幅をきかせている。男の老いと女の老いは違う。
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みんなの好みが日本では統一され過ぎているのでは。「個」ではなく。
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老いても、あらゆる状況を「客観視」できるかどうかが大事。その能力を維持できれば怯むことなく老いることができるのでは。
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周囲がどうか?ではなく、己が老いた時にどうしたいか?自分自身が老いとどう向き合うか。
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自分に対する責任って何だろう?生きていく上で社会や文化とは切り離せない。とはいえ、自分に対する責任しかなくなるのでは。
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「女装する女(湯山玲子・著)」と同じように、私は最近「老人を演じる私」をしている。印籠のように。
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老人を演じた方が都合がよいのではないか。生活の質を保つのに役立つ。助けてもらえたり。とはいえ、それに甘んじ過ぎるのはよくないので精神的には老いないようにしたい。
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おばちゃんになった強さを感じることがある。年を重ねることもわるくない。
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花とか植物は「老いる」とは言わない。「枯れる」「風化する」と表現する。 成熟から完熟。そこまでいかないと新しいものは生まれてこない。完熟を前提とした成熟。
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映画「ストレイト・ストーリー」の中の名言。若者が老人にたずねる。「じいさん、歳をとって良いことは?」「経験を積んだこと。実と殻の区別がつくようになったこと。歳をとって最悪なのは、若かった頃を覚えていることだ。」
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トーマス・マン「ベニスに死す」。老人が美少年に恋をして執着する。老いと美の残酷な対比。
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毎日のルーティンが年をとると身に着く。身体の負担を減らすため? ある時、死を意識し始めて。老いると「死」を意識することが多くなる。
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精神的なことは自分でどうにかなるが、肉体的なことは人に頼らなくてはならなくなる。老いるというのは必然的に他者に依存しなくてはならないが、そこをどうするか?
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「美」を意識しなければ、「老い」はまともな人間に成長していくことだと考えられる。
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若葉の美しさを感じる時、それが枯れる時のことを思う時、老いを意識して、それはよくないことなのか?と思ってしまう。
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モテるテクニックを実践してみたら、周囲と接しやすくなった。未成熟な女の子を演じてモテさせるテクニックだった。若いというだけで教えたがられたり。質問しても答えてもらえたり。「若い」と「美」は関係があると思える。逆に「老い」を武器にする時に、若さと老いの転換点があるのでは。
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若い時は、それだけで周囲が若さに価値を見出す。次第にそうではなくなる時、力技を自分にかける時が転換点かもしれない。
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若い時の「美」に向けるパワーと、今は違う。若い時特有の同じ場所にいる基準に「美」があるのでは。
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若い時は人と同化したくなかったが、年取ってそのこだわりもなくなった。
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子育ての時が転換だったかもしれない。
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「老い」に、自分はいるのか?何歳頃から? 「老い」には後期高齢者のイメージ。そこまでは「中年」老いる手前のイメージ。
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肉体の老いは「劣化」
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年齢より閉経が転換期だった。身体の大きな変化。林真理子のエッセイに変化は階段状にくる、とあった。怖かったけど少しずつ受け入れられるようになった。
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元同僚の在り方がかっこいい。積み上げられた知識が人の役に立っている。
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閉経は女性の出産性のおわり。それを突き付けられる出来事。
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断捨離。物が要らなくなるのが転換期。
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足すより引くが増える。
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閉経後、性欲はなくなっても男性をカッコイイと思うようなことはあって不思議。
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老人の性。閉経と性欲は関係ないかも。人による?
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老いとたたかうためには心の支えは必要。「推し」活。
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「美」は仕事をするうえで必要だったから気をつかっていただけ。自分自身の若さや老いの境界線としては「美」はなかった。 「美」は社会との接点に過ぎなかった。
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デパコスをやめたのは、仕事も関係してる。化粧して女性に見られたくなかったから。男に同化したくなったからかと。
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女性には美容重視派と健康重視派がいる。
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美魔女はがんばってる人。 叶姉妹とかすごい。
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「欲の手離れがよい」という言葉がある。執着することと老いることは真逆では。年を重ねると衰えがあちこちにあり、執着を手放さざるを得ない。適宜手放していく。だが手放さなくていいものまで手放すのは老いを加速させるかもしれない。適した時期にスッと離れるのが上手に老いるコツでは。
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心も身体も健康であれば、介護も明るくできる。周囲を巻き込む力も年を重ねる時に必要。
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年を取ったら絶対に誰かの手を借りないといけないので、手を貸す側が気持ちよくできるような人になるのは大事。
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「健康」でいるには友達がいるかどうかもすごく関わってる。(家族と一緒に住んでたり、お茶できる友達がいたり)年をとればとるほど、他者との繋がりがもっと大切になるのでは。
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寝たきりになっても、グチることなく堂々と生ききることが「怯むことなく堂々と老いさらばえる」ということか。